出し入れ活動期(発達年齢:10か月から1歳6か月)

出し入れ活動期とは

出し入れ活動期は、手段-目的関係の成立により、ボールを容器に入れる、中からモノを出すなどの目的のために手を使うようになる段階(手段—目的関係理解)です。定型発達児では10か月から1歳6か月までの発達段階にあたります。

この時期の活動として、物を穴に入れたり、袋から出したりする活動(出し入れ活動)や、磁石やシールを貼ったりはがしたりする活動(貼る・はがす活動)を紹介しています。また、1歳程度の発達段階になると、クレヨンやペンを握り、なぐり書きを始めます。よって、描画活動については、この時期から就学までにかけて紹介しています。

教材一覧

玉落とし

平面上に同じ大きさの穴があけられ、その穴と同じくらいの大きさの球の教具のイメージ

ねらいと活動内容:

両手の探索を引き出す。点から線、線から面の手の動きを引き出す。手を使うウォーミングアップをする。

指導方法:

はじめは指導者が球を落として音を聞かせる。子どもが興味を持ったら、後ろから手を取り、球を一緒に落とす。

メーカー:

オリジナル

教材の使い方:

購入:

チェーンぶるぶる

取っ手のついたボールチェーンを、シリコンタッパーの蓋にあけた穴から引き抜く教具のイメージ

ねらいと活動内容:

両手でチェーンを交互に引く動作の獲得を促す。始点から終点(全部抜けたら終わり)への意識を促す。チェーンが抜ける時の振動と音のフォードバックがある。

指導方法:

子どもの後ろから手を取り、一緒にチェーンを引く。両手で、持って離して、持って離して、と交互に引く動作を経験させる。指導者がもう1人いて、タッパーを押さえているのが望ましい。

メーカー:

オリジナル

松本ぼこぼこレバー(直線)

レバーを直線的な溝に沿って動かす教具

ねらいと活動内容:

レバーを動かすと箱の中でチェーンの動く音が響き、振動が伝わる。レバーを押したり引いたりする手の使い方を育む。

指導方法:

はじめは箱を縦向きに置き、手前と奥にレバーを動かす動作を行う。子どもの後ろから手を取り、一緒にレバーを動かす。縦向きができたら、横向きも実施する。

メーカー:

オリジナル

松本ぼこぼこレバー(曲線)

レバーを直線的な溝に沿って動かす教具のイメージ

ねらいと活動内容:

レバーを動かすと箱の中でチェーンの動く音が響き、振動が伝わる。L字型の溝に沿ってレバーを押したり引いたりする手の使い方を育む。

指導方法:

子どもの後ろから手を取り、一緒にレバーを動かす。向きを変えてもできるように繰り返し行う。

メーカー:

オリジナル

松本式レインスティック

中身の見えるレインスティックの教具イメージ

ねらいと活動内容:

レインスティックの中の物がどのように動いているのかを、見られるようにした課題である。レインスティックの向きを変えると、中の鉄球が動くことを理解させる。

指導方法:

子どもの後ろから手を取り、レインスティックの両端を両手で持たせる。レインスティックの向きを交互に変えて、中の鉄球が両端にあたるようにする。

メーカー:

オリジナル

松本式円柱さし(一方向3本)

直線上に3つの丸い穴が並んだ台と、3つの円柱の教具のイメージ

ねらいと活動内容:

非操作手で探索し、操作手で入れるという両手の協応を育む。左右か上下の一方向の探索。

指導方法:

はじめは、子どもの操作手に1本ずつ手渡す。慣れてきたら、カゴなどから自分で取らせる。

メーカー:

オリジナル

円柱さし

直線上に5つの丸い穴が並んだ台と、5つの円柱の教具のイメージ

ねらいと活動内容:

目と手で穴の位置を確認し、操作手で入れるという目と手の協応を育む。

指導方法:

角度を45度程度にした書見台に載せ、子どもの目線に近くなるようにする。はじめは、子どもの操作手に1本ずつ手渡す。慣れてきたら、カゴなどから自分で取らせる。

メーカー:

オリジナル

教材の使い方

教材の作り方:

松本式円柱さし(面5本)

サイコロの5の目のように5つの丸い穴が並んだ台と、5つの円柱の教具のイメージ

ねらいと活動内容:

目と手で穴の位置を確認し、操作手で入れるという目と手の協応を育む。

指導方法:

角度を45度程度にした書見台に載せ、子どもの目線に近くなるようにする。はじめは、子どもの操作手に1本ずつ手渡す。慣れてきたら、カゴなどから自分で取らせる。

メーカー:

オリジナル

松本式ミニモノクロ(円柱2個、立方体2個)

円柱と立方体をはめ込む教具のイメージ

ねらいと活動内容:

目と手で穴の向きを確認し、操作手で向きを合わせて入れるという目と手の協応を育む。

指導方法:

はじめは、入れる形を操作手に手渡し、慣れてきたら、自分でかごなどから取らせるようにする。

メーカー:

オリジナル

パズルボックス(●・▲・■)

3つの教具の写真。ひとつめは円の穴に、球体や円柱を通す教具。ふたつめは、四角の穴に立方体や直方体を通す教具。みっつめは、三角の穴が開いた台に三角柱を通す教具

ねらいと活動内容:

目と手で穴の形を確認し、操作手で入れるという目と手の協応を育む

指導方法:

角度を45度程度にした書見台に載せ、子どもの目線に近くなるようにする。向き合わせの必要がないものから、向き合わせが必要なものへスモールステップで指導する。難易度は、球→卵型→楕円型→円柱→角がない円盤→円盤→四角板→立方体→四角柱、三角柱

メーカー:

オリジナル

おはじき入れ)

おはじきと、おはじきがちょうど入る穴の開けられた箱の教具のイメージ

ねらいと活動内容:

手首を回旋させて、向きを合わせて入れる動作の獲得を促す。

指導方法:

穴の向きは、水平の角度(0度)から、だんだん垂直(90度)に鳴るように向きを変えていく。右利きであれば、穴の向きを変えていくのは時計回りの方向へ、左利きの場合はその逆。

メーカー:

オリジナル

松本式ぼこぼこ円筒抜き

凹凸のある棒の教具のイメージ

ねらいと活動内容:

上方向への手の動きを引き出す。棒に凹凸があり、円筒を引き抜く時に振動のフィードバックがある。

指導方法:

子どもの後ろから手を取り、超手や片手で円筒を上方に一緒に抜く。指導者は台が動かないように押さえる。

メーカー:

オリジナル

円筒抜き

高さの異なる3つの円筒(木の棒)の教具のイメージ

ねらいと活動内容:

上方向へ円筒がまっすぐ抜けるよう手の動きを調整する力を育む。非操作手で棒の先を定位し、操作手で円筒をさす動作の獲得を促す。

指導方法:

子どもの後ろから手を取り、超手や片手で円筒を上方に一緒に抜く。非操作手で棒の先を確認させ、操作手に円筒を持たせ、一緒に入れる。

メーカー:

オリジナル

モノクロタケイ(無分割)

円筒と円柱の教具のイメージ

ねらいと活動内容:

円筒や四角筒に、円柱や四角柱の向きを合わせて入れる動作の獲得を促す。

指導方法:

四角柱や三角柱では、低い(薄い)ものは入れる向きが分かりにくいため、向きを合わせにくく、難易度が高い。四角柱では、立方体→高め→低めの順、三角柱では高め→中くらい→低めの順で指導する。

メーカー:

オリジナル

シール貼り

丸シールを紙に貼ったイメージ

ねらいと活動内容:

シールをつまみながら粘着面の端を貼り、つまんでいる指先を抜いて貼る、手指操作の力を育む。

指導方法:

角度を60度程度にした書見台に紙を提示する。シールは直径2㎝程度でつまみやすい丸シールを使用する。はじめは子どもにシールを1枚ずつ手渡しする。

メーカー:

オリジナル