はめこみ構成活動期(発達年齢:2歳6か月から4歳6か月)

はめこみ構成活動期とは

はめこみ構成活動期は、大小・長短・高低などの比較概念が獲得される時期です。比較概念の獲得は空間概念という点では、2次元(垂直と水平)の空間・方向概念の獲得といえます。二つの軸が概念として獲得することにより、始点—終点を意識した円模写や、垂直・水平の成分で構成される十字模写や正方形模写ができるようになります。

この時期には、複数の物を合わせたり組み立てたりすることで1つのものを構成する構成学習が可能になります。定型発達児では2歳6か月から4歳6か月までの発達段階にあたります。

この時期の活動として、構成活動のうち平面軸上で枠にはめて行うものを紹介しています。

教材一覧

ビーズ通し

ビーズと紐の教具イメージ

ねらいと活動内容:

小さなビーズをつまんだり、向きを調整して針金やひもに通す手指の巧緻性を育む。

指導方法:

片側が広がった筒状のビーズから始め、輪状の座金(ざがね)、楕円形のビーズ、球のビーズとスモールステップで指導する。通すものは、針金やモールだと難易度が低く、ひもやテグスなどは難易度が高い。ひもやテグスなどで実施する場合、先をセロハンテープなどで巻き固くすると通しやすくなる。

メーカー:

オリジナル

印にシール貼り

赤と青の丸に、それぞれ同じ色のシールが張られた教具のイメージ

ねらいと活動内容:

シールを貼る位置と色を確認して貼る、目と手の協応の力を育む。

指導方法:

枠の中にクレヨンなどで赤と青の印をつけ(可能であれば子どもにその上から丸を書かせる)、その印に同じ色のシールを貼らせる。

メーカー:

オリジナル

松本式円筒はめこみ入れ子

バスのタイヤに丸いシール。バスの座席に動物シールが張られた教具イメージ

ねらいと活動内容:

シールを貼る位置を確認して貼る、目と手の協応の力を育む。

指導方法:

子どもが好きな乗り物や動物などを題材にして物語にし、それに合うようにシールを貼ってもらう。(例:バスのタイヤに丸いシール。バスの座席に動物シール)

メーカー:

オリジナル

松本式円筒はめこみ入れ子

ひし形や楕円などの穴と その形のブロックの教具イメージ

ねらいと活動内容:

目で見て穴の形を弁別し、向きを合わせて入れる目と手の力を育む。

指導方法:

角度を60度程度にした書見台に載せ、子どもの目線に近くなるようにする。

メーカー:

オリジナル

松本式円筒はめこみ入れ子

6種類の大きさの円筒をはめこむ教具のイメージ

ねらいと活動内容:

大きさの順にはめ込んでいき、大きさの違いへの気づきを引き出す。

指導方法:

大きい順に渡していく。できるようになったら、1つ飛ばした大きさの入れ子を渡す。次の入れ子が入らなかった時に、後ろから手を取り、入れ替えをする動作を経験させる。全部入ったら、上面を触って確認させ、全て入ると平らになることを教える。

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オリジナル

松本式四角筒はめこみ入れ子

5種類の大きさの四角筒をはめこむ教具のイメージ

ねらいと活動内容:

大きさの順に、はめ込んでいき、大きさの違いへの気づきを引き出すとともに、向きを合わせる力を育む。

指導方法:

大きい順に渡していく。全部入ったら、上面を触って確認させ、全て入ると平らになることを教える。

メーカー:

オリジナル

はめこみ構成課題

正方形の木の枠の中に、板をはめこむ教具のイメージ

ねらいと活動内容:

正方形の木の枠の中に、様々な大きさのはめ板をはめて枠を一面埋める課題である。上下左右斜めなどの基本的な空間概念の獲得を促す。

指導方法:

角度を45度程度にした書見台に載せ、子どもの目線に近くなるようにする。枠の中に黒か濃紺の画用紙を敷くとはめ板とのコントラストが高くなる。大きいはめ板から順に渡すと簡単で、反対に小さいはめ板から渡したり、ランダムに並べて自分で選んでもらったりすると難しくなる。

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オリジナル

教材の使い方:

購入:

数の棒

合わせて10になる2本の棒の組み合わせの教具イメージ

ねらいと活動内容:

連続量による分解合成活動を通した、算数の基礎となる量のイメージの獲得を促す。

指導方法:

2つの隙間にそれぞ角度を45度程度にした書見台に載せ、子どもの目線に近くなるようにする。2つの隙間にそれぞれぴったり合う棒を選択させる課題や、10の量を意識させて隙間にぴったり入ると10となる棒を選択させる課題、合わせて10になる2本の棒の組み合わせを4セット準備して10の量を4つ作らせる課題などがある。れぴったり合う棒を選択させる課題や、10の量を意識させて隙間にぴったり入ると10となる棒を選択させる課題、合わせて10になる2本の棒の組み合わせを4セット準備して10の量を4つ作らせる課題などがある。

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オリジナル

教材の使い方:

購入:

松本式体積パズル

枠を埋めて立方体を作る教具のイメージ

ねらいと活動内容:

大・中・小2つの積み木を用いて、枠を埋めて立方体を作る課題である。上下左右斜めの3次元の空間のイメージの獲得を促す。

指導方法:

はじめは、大きい積木、中くらいの積み木、小さい積木の順に入れさせると難易度が低い。大きい積木や中くらいの積み木には入る向きが何通りかあることにも気づかせる。

メーカー:

オリジナル

枠入れ立体構成課題

立体的な枠と積み木の教具イメージ

ねらいと活動内容:

複数の積み木を用いて、立体的な枠を埋める課題である。上下左右斜めの3次元の空間のイメージの獲得を促す。

指導方法:

様々な積木で立方体を構成する課題や、枠の形が異なっても同じ量の積み木が入ることを体験させる課題などがある。

メーカー:

オリジナル

モノクロタケイ(分割)

枠の中に、2から4つの分割された円柱を構成する教具のイメージ
枠の中に、2から4つの分割された四角柱を構成する教具のイメージ

ねらいと活動内容:

分割された積み木を用いて、枠の中に円柱や四角柱を構成する課題である。円柱や四角柱を分解したり合成したりする量や空間の概念獲得を促す。

指導方法:

2分割からはじめ、3分割、4分割とステップを踏んでいく。子どもが課題に慣れるまでは、すでに入った積木が枠の中で動かないように指導者がおさえると、子どもが空いている隙間を十分に触察することができる。

メーカー:

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2分割パズル

パトカーや消防車のイラストが2つに分かれており、それを並べてひとつの絵にする教具のイメージ

ねらいと活動内容:

分割されていてもそれが何の絵かを理解し、分けたり合わせたりする構成の力を育む。

指導方法:

角度を60度程度にした書見台にカードを磁石で貼る。はじめは、左右の切片を3㎝程度離して、視線の先に提示する。子どもが2枚の切片を合わせることに慣れてきたら、片方の切片の向きを変えて提示し、難易度を変えていく。

メーカー:

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はさみ基礎①

子ども用のハサミで1回で切れる程度の幅の線が描かれた紙の教具イメージ

ねらいと活動内容:

ハサミの持ち方と開閉の動きの習得を目指す。ハサミを紙に直交させて切る感覚を経験させる。1回切りや、短い線を見て切る切り方を練習する。

指導方法:

子ども用のハサミで1回で切れる程度の幅(1.5㎝程度)の画用紙を用意し、1回切りの練習をさせる。子どもが自分でハサミを開くことが難しい場合、カスタネットばさみなどを活用する。1回切りに慣れたら、黄色の画用紙に黒マジックで1.5㎝程度の線を書き、短い線切りを練習させる。い

メーカー:

オリジナル

塗り絵

ぬりえの教具イメージ

ねらいと活動内容:

指先の力を調節しながら、線の中に塗る目と手の協応の力を育む。

指導方法:

書見台は、筆圧をかけやすいよう45度程度にする。はじめは、クレヨンや太めのペンだと握りやすく、書き心地も柔らかいので書きやすい。塗り絵は、輪郭線が太いものを用意する。

メーカー:

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線むすび①

開始点と終了点を直線で結ぶ教具のイメージ

ねらいと活動内容:

指先の動きを調節しながら、点と点を線で結ぶ目と手の協応の力を育む。

指導方法:

角度を60度程度にした書見台に紙を提示する。シールを貼り、シールを線で結ぶ見本を見せてから、子どもに練習させる。

メーカー:

オリジナル